与那国町長選あす投開票 3立候補者インタビュー


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
立候補した(左から)前西原武三氏、池間龍一氏、糸数健一氏

 【与那国】任期満了に伴う与那国町長選が8日、投開票を迎える。立候補したのは、いずれも新人で、前町議会議長の前西原武三氏(67)=自民公認、公明推薦=と元町議の池間龍一氏(70)=無所属、元議長の糸数健一氏(67)=無所属=の3氏。町政の評価や人口減少対策などが主な争点となる。3氏に現町政への評価や主な公約などを聞いた。

 

 

前西原氏「人口増へ団地で住居確保を」

前西原 武三氏

 Q:選挙の争点は。

 対立候補からは第1次産業が疲弊していると言われている。耕作放棄地を法人化するなど農業や漁業を振興していきたい。

 Q:公約は。

 人口減少に歯止めを掛けなければならない。IターンやUターンでの人口増を考えている。与那国には人が住める建物が少ない。団地をつくり、住居を確保したい。産業の振興のためにも、まずは住む所の確保が最大の公約だ。

 Q:現町政への評価は。

 私は現町長の後継だ。現町長は町財政を立て直し評価している。継続するべきところは継続し、加えるべきところは手を加え、さらに町をよくしていきたい。

 Q:与那国に配備されている陸上自衛隊についての考えは。

 自衛隊からの町有地賃貸料は全て町に還元されている。自衛隊には感謝を申し上げたい。

……………………………………………………………………

 前西原 武三(まえにしはら・たけぞう)1954年2月26日生まれ。町久部良出身。八重山農林高卒。90年に町議に初当選。8期連続で務めた。


池間氏「陸自の機能強化反対」

池間龍 一氏

 Q:選挙の争点は。

 与那国に駐屯する陸上自衛隊の機能強化についてが争点となる。これ以上の増強は小さな島の社会のバランスが壊れると考える。

 Q:公約は。

 地球温暖化対策と自衛隊の強化への反対。国に対して、これ以上の増強はしないでくれという態度を取りたい。またごみの分別の細分化などに取り組み、ごみゼロを目指したい。

 Q:現町政への評価は。

 通信インフラ整備や新型コロナウイルス感染症対策は評価できるが、予算編成や人事に偏りがある。自衛隊は経済活性化になるというが、地域と自衛隊の関わりが見えてこず、経済成長の実感はない。

 Q:与那国に配備されている陸上自衛隊についての考えは。

 私は現状の自衛隊は容認している。だがこれ以上の増強は住民と自衛隊員の数のバランスを欠く。

……………………………………………………………………

 池間 龍一(いけま・りゅういち)1950年10月15日生まれ。町祖納出身。日本大中退。86年から町議3期の後、町総務財政課長などを務めた。


糸数氏「町民1人5万円のコロナ給付金を」
 

 Q:選挙の争点は。

 山積する課題に対し、誰に4年間を任せるのかということだ。有権者もそれが一番の選択肢になる。

 Q:公約は。

 保守も革新も関係なく、町民が腹いっぱい食べられるように仕事を創出するのが町長の役目だ。所得の向上を図る。当選したら財政の状況を見ながら、町民一人当たり5万円の「コロナ給付金」を支給したい。

 Q:現町政への評価は。

 現町長への批判がなければ私が名乗り出る必要はない。町政継続への反発が大きい。公平・公正な行政運営をしていく。

 Q:与那国に配備されている陸上自衛隊についての考えは。

 配備は安全保障のためで地方創生のためではない。ただ与那国には防人(さきもり)として民間人が生きている。防衛省以外の省庁にも交渉し、離島の不便性を解消しなければいけない。

…………………………………………………………………………

 糸数 健一(いとかず・けんいち)1953年8月18日生まれ。町祖納出身。東京理科大中退。2006年に町議に初当選。17年の町長選に出馬した。