金に輝いた21歳の平良 順風でなかった野球人生 五輪の舞台も刺激に


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最速152キロの直球を武器に豪腕をならした八重山商工時代の平良海馬=2017年3月、北谷町

 プロ4年目の今季、39試合連続無失点の日本記録を樹立し、侍ジャパンの一員として東京五輪に挑んだ平良海馬。21歳の若さで金メダル獲得という新たな勲章を手にしたが、これまでの野球人生は決して順風満帆ではなかった。高校の最高成績は県8強。メンバーが足らず連合チームでの大会出場も経験した。

 小柄ながら、がっしりとした体から打者の手元で伸びる剛速球は当時から出色で、高校2年で152キロを記録。プロ入り前から「直球だけで勝ち進めるほどプロは甘くない。多彩な変化球を投げ、長く活躍できる選手になりたい」と第一線で活躍する青写真を描いていた。

 2020年には日本選手6人目の160キロをマークし、同年にリーグ最多に並ぶ54試合に登板して県勢初の新人王を受賞。クイックモーションから投じる直球は「タイミングが取りづらい」と強打者からも恐れられる。平良がプロ選手として心がけていることは「普通の人」。言葉通り、性格は至ってマイペースだ。

 予選リーグの初戦ドミニカ共和国戦では、終了後に「(無観客で)紅白戦をやっているような感じ」とずぶとい神経をのぞかせた。

 五輪開幕前、「ゼロ点に抑えて帰ってこられるように頑張りたい」と意気込んでいた平良。一流の選手に囲まれ、多くの刺激を受けたことは間違いない。