「仕事できず悔しさ半分」金の平良海馬 経験をプラスに変える決意も


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表彰式で村上(左)から金メダルをかけてもらい、握手する平良=7日、横浜スタジアム

 最後の打者を二ゴロに打ち取ると、日本ベンチからマウンドに向かってはじけるように選手たちが飛び出した。歓喜の輪が解け、米国選手と互いをたたえ合う列の中に平良海馬の姿もあった。「自分の出番では納得いかない仕事だったけど、結果としてチームとして金を取れて良かった」。表彰台ではメンバー同士で順々にメダルを掛け合った。背番号61で最後の平良は村上宗隆(ヤクルト)に掛けると、自分のメダルは村上に掛けてもらってがっちり握手。首から下げた金メダルを両手で持ってカメラにアピールした。

 今大会、予選リーグの2試合で登板した平良。初戦のドミニカ共和国戦は2死一、二塁のピンチでマウンドに上がり、5球で火消しに成功。続くメキシコ戦ではプロ野球を含め今季初めて本塁打を被弾したが、21歳という若さで日の丸を背負い「自分がいまやっている練習に自信を持って取り組みたい」と悔しい経験もプラスに変える。

 チームメートは全員日本のトップ選手たちで学びも多かったよう。後半戦に向けて「うれしい気持ちが半分、自分の仕事ができなかった悔しさ半分。その悔しさを練習に向けてシーズンを頑張りたい」。南国の島から日本、そして世界の舞台へと一足飛びで駆け上がった剛腕は、プロ野球のマウンドでさらに進化した姿を見せてくれそうだ。

 (長嶺真輝)