県内の最低賃金きょう決定か 労使で折り合い付かず議論次第で遅延も


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最低賃金の引き上げについて議論が交わされた専門部会の会議室=11日、那覇市おもろまちの沖縄労働局

 2021年度の沖縄県内最低賃金を決める沖縄地方最低賃金審議会(島袋秀勝会長)は11日、非公開の専門部会を那覇市の沖縄労働局で開いた。現行の792円の最低賃金額を巡り、新型コロナウイルス感染症による経営環境の悪化から低い水準の賃上げにとどめるよう求める使用者側と、目安の28円を超える引き上げ額を要求する労働者側との議論は折り合いが付かず、結論は12日以降に持ち越しとなった。

 厚生労働相の諮問機関である中央最低賃金審議会は7月、全国一律で時給を28円引き上げるよう目安を答申した。

 6日に開いた審議会では、引き上げ額について労働者側は38円、使用者側は現状維持のゼロ円を求めていた。11日の専門部会では互いに譲歩案を出して調整を図ったが、要求額の開きが埋まらなかった。

 12日に再び専門部会を開き、方向性がまとまれば同日に本審議会を開催し、額を決定する。専門部会で議論がまとまらなかった場合は、12日の本審議会が中止になり、決定がさらに遅れる可能性もある。

 使用者側は、最賃改定の発効期日について、来年4月に延期することを提案していた。関係者によると、労働者側は提案を受け入れない姿勢で、従来通りの10月発効を求めている。

 決定の見込みについて、沖縄労働局の梅澤栄賃金室長は「なんとも読めない」と話した。