ゲンキ食堂が8月の支援費募る 弁当300食配布、負担大きく


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明るく弁当づくりに励む又吉茂さん(中央)とスタッフ=6日、宜野湾市真志喜のゲンキ食堂

 【宜野湾】沖縄県宜野湾市を中心に子育て世帯への自立支援などに取り組む「宜野湾子どもゲンキ食堂」(市真志喜)が、子ども食堂の8月実施の支援費を募っている。代表の又吉茂さん(42)は約15年にわたり、子どもたちの居場所づくりに携わってきた。コロナ禍で仕事がなくなり食費などに困る家庭の相談も増えているという。

 8月は小中学校の夏休みに合わせ、平日午前10時~午後2時に弁当を300食限定で無償配布している。弁当はカレーライスや焼きそばなど常に日替わり。費用は3~4割は寄付でまかなうが、残りは実費で負担は大きいという。

 ゲンキ食堂内は6日、スタッフが明るい表情で食材をより分けていた。弁当と「しーぶん」(おまけ)のお菓子を受け取った大謝名小2年女子児童(8)は「いつもおいしく食べている」と話した。

 子ども4人がいる女性(46)=パート=は「夫と共働きで子どもの手間もかかる中、弁当配布はとても助かる」と感謝した。

 又吉さんは宜野湾市大山で生まれ育った。伊佐青年会にいた約15年前、母校の真志喜中から体育祭で披露するエイサーの指導を頼まれたことが、子どもたちと関わるきっかけになった。

 家庭環境が複雑で学校に来ない“やんちゃな子”に寄り添って、相談事に乗った。おにぎりとみそ汁を持って夜間巡回もした。出歩いている子どもたちに話し掛け、食べさせた。「子どもたちは最初は反抗するが、おなかがいっぱいになると穏やかになる」と強調する。

 ゲンキ食堂を始めたのも「少しでも心のよりどころになれば」という考えから。関わった子どもの成長を見ると「うれしい」と語る。また、古い靴を履きつぶした小学生らに新しい靴をプレゼントしたり、生活保護が必要な家族を役所につないだりと幅広く支援する。これからも子どもたちに寄り添う姿勢は変わらない。

支援費の振込先は、県労働金庫普天間支店(店番号957)口座番号3434551。名義は「宜野湾ゲンキ子ども食堂代表又吉茂」。問い合わせは、ゲンキ食堂(電話)098(897)9795またはLINE(ライン)で。ラインのQRコードはhttps://line.me/R/ti/p/%40868btqtu