久間氏は公式に引退されて約10年たち、現在どこまで有効な話なのかは疑問が残るが、いくつも本音が出ている発言がある。日本政府が沖縄をどう見ているかが分かり、腹立たしくも、示唆に富む。
辺野古新基地建設は将来的には自衛隊の使用を想定していると証言した。新基地建設は、有事の際に米軍の関与を引き出すための「人質」だったことも、改めて確認できる。政府の本音としては、普天間飛行場の危険性除去はどうでもいい話なのだろう。
久間氏の頭の中で、米軍基地と自衛隊施設を同様なものと捉えているようだ。現在の「日米の一体化」が久間氏が現役のころから進んでいたことが分かる。
台湾有事の可能性を持ち出して沖縄から台湾の近さを強調していたのは、引退後に仕入れた話だろう。当時は台湾という話をしていなかった。さかのぼって辺野古の基地建設や米軍の沖縄駐留を正当化している。
ただ、県民の間でも台湾有事の危機感は、説得力を持って捉えられるようになってきている。デマも飛び交う。この流れにどう対抗し、止めていくのか考えなければならない。 (政治学)