緑の癒やし効果抜群?コロナ下で観葉植物が人気 ホームセンター、品ぞろえ充実


この記事を書いた人 Avatar photo 玉城江梨子
「人気の商品は、入荷後すぐに売り切れるほどだ」と話す比嘉和子係長=13日、浦添市のメイクマン浦添本店

 長引く新型コロナウイルスの影響により自宅で観葉植物を育てる人が増え、生産や取引が活発化している。テレワークの普及や外出自粛により「おうち時間」が増えたため、インテリアへのこだわりや緑に癒やしを求める人が増えているようだ。県内のホームセンターやフラワーショップでも取り扱い品種を増やしたり、売り場面積を広げたりして高まる需要に対応している。

 県内で9店舗を展開するホームセンター大手のメイクマンでは、20年度の観葉植物の売り上げが前年度比で37%増加した。浦添本店グリーン担当の比嘉和子係長によると、初めて購入する客も増えており、初心者向けの品種や育て方、産地などに関する質問も増えたという。

 同店は巣ごもり需要に応じるため、昨年から各店舗の園芸スペースを拡張し、商品の充実に力を注いでいる。卓上に置ける小さな鉢から存在感のある大鉢までそろえ、品種ではフィカスやモンステラなどが人気がある。アリなどの虫が寄りつかず手入れもしやすいハイドロカルチャー(水耕栽培)の商品も売れ行きを伸ばしているという。

 比嘉係長は「植物の癒やし効果は大きい。自宅や職場に観葉植物を置くことでインテリアを楽しみながら、リラックスしてほしい」と述べた。

 農林水産省の調査では、2020年産の切り花類の出荷量は前年比7%減だったが、鉢物類のうち観葉植物に着目すると、出荷量は同13%増の4140万鉢と伸長した。県内では生産量の大幅増はないものの、単価の上昇傾向が続いている。

 JAおきなわでは、19年度の出荷数10万6千鉢に対し売り上げは9400万円だったが、20年度は10万5千鉢の出荷に対し1億3100万円だった。営農販売部の担当者は、観葉植物の需要はここ数年右肩上がりだったが、コロナ禍の巣ごもり需要で「より一層顕著になった」と指摘する。

 「単価の高い鉢を出荷する農家数も増え数字を単純比較することはできないが、観葉植物の引き合いは強く、今後も県産鉢の単価が伸びる可能性はある」と期待を寄せた。

 一過性のブームで終わらないよう、今後は家庭需要の拡大と定着に向け、生産者やJA、小売店が一体となって対応する必要があると強調した。