首里城御庭に敷かれた「磚瓦」を撤去 木材保存倉庫整備へ


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御庭に敷き詰められた磚瓦を一枚ずつ剥がす作業員。撤去した磚瓦は海洋博公園の資材ヤードで保管する=13日、那覇市の首里城

 沖縄総合事務局は13日、首里城正殿の復元に使用する木材の保管倉庫などの整備に備え、御庭(ウナー)に敷かれた朱色のレンガ「磚瓦(せんがわら)」の撤去作業の様子を報道陣に公開した。作業は12日開始した。磚瓦は御庭だけでなく正殿や焼失した各建物の基壇などにも使われており、総数は約1万4千枚。状態を5段階に分別し、破損を逃れた完品磚は、御庭や今後復元される正殿基壇などへ再利用する。撤去は今月末にも完了し、9月から倉庫の設置作業が始まる見通し。

 磚瓦は242ミリ四方で、重さは3キロほど。火災により一部が破損やひび割れしていた。全体の7~8割は再利用できると見込まれ、残りの破損磚は県がアイデアを募集し、利活用法を模索する。

 今回の復元に当たって政府と県は「見せる復興」をテーマに掲げている。沖縄総合事務局の與那嶺盛明建設監督官は「御庭は正殿と併せて首里城独特の雰囲気が感じられる場所。少なくとも正殿が完成する26年まで景色ががらりと変わるため、県民にもう一度見てもらいたかった」と述べた。