公民館を書籍で発信 「ちょっと先の未来」考える 那覇市繁多川「1万人井戸端会議」


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 上里 あやめ
「公民館のしあさって」に関わる(左から)南信乃介さん、イブラヒム・エルサムニーさん、ボーダーインクの池宮紀子社長、西山佳孝さん=7月28日、那覇市の繁多川公民館

 【那覇】那覇市繁多川公民館を運営するNPO法人「1万人井戸端会議」などが、今後の公民館や社会教育の在り方を考える本「公民館のしあさって」を9月にも出版する。本を携え、全国各地で学習会などをしながらネットワークをつくる「キャラバン」も計画している。

 出版やキャラバンなどのプロジェクトは、トヨタ財団の助成を受けている。1万人井戸端会議代表の南信乃介さん、まちづくりなどに取り組む西山佳孝さん(東京都)、エジプトに公民館を開設したモハメッド・アブデルミギードさん(通称ギドさん)が中心となり、沖縄国際大非常勤教員のイブラヒム・エルサムニーさんらさまざまな人が協力している。昨年9月にウェブサイトも立ち上げ、各地の公民館や関連イベントを取材したリポートなどを掲載している。ギドさんは繁多川公民館で公民館の役割を学び、1万人井戸端会議と協力しながら今春、エジプトで公民館をオープンさせた。

書籍「公民館のしあさって」

 本は繁多川公民館の取り組みや、エジプトに公民館をつくる挑戦などを紹介しながら、今後の公民館や社会教育、民間の公民館的なものの在り方を考えていくという内容だ。

 「公民館のしあさって」というタイトルには「あすでも遠い未来でもない、公民館のちょっと先の未来をどうしていくか」という思いが込められている。

 南さんは「日本の公民館や公民館的なものをより良くしていくためには仲間が必要だ。本やキャラバン、ウェブサイトを通して全国の人をつなぎ、それぞれの場所でアクションを起こしてより良いものにしていきたい」と話した。

 本はボーダーインクから発売する。「公民館のしあさって」プロジェクトのウェブサイトで予約を受け付けている。