お盆期間の旅客は32%増 沖縄関係路線 コロナ前に比べると56%減


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到着口ロビーを歩く旅行客ら=7月8日、那覇空港

 沖縄関係路線を運航する主要航空各社は16日、2021年お盆期間(8月6日~15日)の搭乗実績を発表し、期間中の沖縄発着の旅客数は前年同期比32・6%増の23万9610人だった。前年に比べた人流は約3割増となったものの、台風の影響や新型コロナウイルス感染状況の悪化などから予約解消が出て、実際の搭乗者数は7月29日時点の予約数の27万7042人よりも3万7432人(13・5%)減った。新型コロナ感染拡大前の19年のお盆期間に比べると、56・7%減となっている。

 感染状況悪化で回復遅れ

 旅客数は往復を含めた座席数のため、実際の航空機の利用者数は約半分ほどとみられる。

 全日本空輸(ANA)の輸送実績は前年同期比30・3%増の12万485人だった。台風の影響で欠航が出たほか、沖縄の感染状況の悪化などが影響し、事前の予約数から1万8千席ほどキャンセルがあった。担当者は「9月以降も予約の動きは弱い」と話した。

 日本航空(JAL)も予約発表時から約8千席キャンセルが出て、旅客数は前年同期比22・0%増の5万1610人だった。主要路線の那覇―羽田は前年並みの3万3695人で、19年比では6割減だった。

 日本トランスオーシャン航空(JTA)も、提供座席数に対する搭乗率が4割を超えない路線がほとんどで、平均の搭乗率は33・1%だった。関西―那覇、福岡の搭乗率は予約時より約10ポイント減、関西―石垣、宮古も3~5ポイントほど落ちた。

 県内路線を運航する琉球エアーコミューター(RAC)の旅客数は同48・2%増の8865人で、予約時の6989人より増えた。那覇―与論の搭乗率は76・1%と最も高く、19年比でも8割程度だった。宮古―石垣の搭乗率は63・8%で、旅客数は19年比の6割程度だった。

 担当者は「RACは県民の生活路線が中心のため、他社よりも影響は少ない」と話した。

 スカイマークの旅客数は、下地島―羽田、神戸、那覇の新規就航があり、前年同期の2・2倍となる2万9651人だった。予約発表時の4万597人からは1万人ほどキャンセルが出た。沖縄の感染状況が悪化していることから、担当者は「全国のほかの路線よりも、沖縄路線は需要の回復が遅い」と話した。