成海綾香、チームスプリント初制覇 兄の大聖もタンデム3位 自転車・全日本大学選手権


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 自転車の第76回全日本大学対抗選手権は13~15日、長野県の松本市美鈴湖自転車競技場で行われ、女子チームスプリントに出場した鹿屋体育大の成海綾香(普天間中―鹿児島・南大隅高出)・中西美央組が48秒589で優勝した。成海は石上夢乃と組んだ女子20キロマディソンでは2位だった。男子タンデムスプリントでは鹿屋体育大の成海大聖(普天間高出)・田仲駿太組が3位に入った。


持久力生かし初制覇
 

女子チームスプリント決勝 雨の中を疾走する成海綾香(右)と中西美央=14日、長野県の松本市美鈴湖自転車競技場(提供)

 14日の女子チームスプリント決勝。成海綾香は相方の中西と3週間前にペアを組んだばかりだったが「何度も先頭を交代するタイミングを合わせてきた」と自信があった。土砂降りの雨を物ともせず、スプリント力のある中西が1周目で引っ張り、持久力が武器の成海がそのまま速度を維持して「タイムロスなく走れた」と、2位に0秒665差で頂点に立った。

 昨年はコロナ禍で中止となり、大学3年にして初めてインカレ種目を制した成海。「素直にうれしかった」と自身の成長を実感した様子だ。一方で「本命競技も優勝したかった」と心残りも。最終3日目の15日に出走した20キロマディソンでは優位にレースを展開していたが、最後のポイントを競うところで審判に他選手を妨害したと見なされ合計点が伸び悩み、2位に終わった。判定に不満は残したが「審判の判断は絶対。タイトルは取れなかったけど実力差は見せられた。来年はもっと差を付けて勝ち切りたい」と力を込めた。


転向8ヵ月で結果 成海大聖

きょうだいで表彰台に上がった兄の成海大聖(右)と妹の綾香(提供)

 大学ではロードをメインとしてきたが、競輪選手を目指すために昨年末からトラックに転向した大学4年の成海大聖。転向から8カ月ほどだが、2人乗りのタンデムスプリントで表彰台に上がり、結果を出した。相方で同級生の田仲はタンデム歴が長く「彼の経験を生かして戦えた」とうれしそうに振り返った。

 トラックはより瞬発力が必要になるため、筋力トレーニングを週4日入れたり、短距離で自らを追い込んだりして体を作り直してきた。今では「ほとんどトラックの感覚になっている」という。10月には日本競輪学校の試験が控える。「受かるための練習をしてきた。合格できるように頑張りたい」と力を込めた。