手作りランチ「おいしい」 沖縄市泡瀬第三自治会 地域が寄付や食材 利用者増え1日60食


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パパイアやひじきなど栄養バランスも考えられたこどもランチのメニュー

 【沖縄】沖縄市の泡瀬第三自治会(仲真紀子会長)は今年から、夏休み中の地元の子どもたちに昼食を無償配布する「こどもランチ」を始めた。初の試みに地域住民から約20万円の寄付が寄せられたほか、近隣の飲食店や精肉店からも食材が提供され、支援の輪が広がっている。大人たちに見守られながら、地域の子どもたちは夏休みも手作りランチを食べてすくすく育っている。

 泡瀬第三自治会は例年夏休みに子どもたち向けの企画を多く実施してきた。だが今年は新型コロナウイルスの感染拡大で全て中止となった。「それでも子どもたちのために何かをして、ちゃんと顔が見たい」と仲真会長らが「こどもランチ」を思い付いた。開始当初は1日20食ほどの提供だったが、利用する子どもは増え、現在は1日60食ほどを提供している。

 公民館では毎週火曜から金曜の昼に手作り弁当を配布している。仲真会長ら公民館の職員だけでなく、自治会の婦人会メンバーが火曜と木曜に手分けして自宅でおかずを作り、公民館に届けて応援している。

 洗って返却される弁当箱には「おいしかったです」と手書きメモが入っていることもあると仲真さんは目を細める。

 取り組みを知った市泡瀬の「パーラーどんちゃん」からは毎週タコライスの材料が寄せられる。うるま市平安座島の「肉や食堂inへんざ」に豚カツ用の豚肉を注文しようとしたところ、店側が無償で提供し、週に1度の「公民館カレー」がカツカレーに「グレードアップ」した。地域住民が庭で育てたゴーヤーやニラ、パパイアなどの寄贈も届く。

 17日に手作り弁当を公民館で受け取った兼島そわさん(市立泡瀬小3年)は「いつもおいしい弁当で元気が出る」と笑顔を見せた。 (島袋良太)

泡瀬第三自治会の仲真紀子会長(左)からこどもランチを受け取る地元の小学生の兼島そわさん=17日、沖縄市の泡瀬第三自治会