豊見城署が令状なし捜索 窃盗疑い逮捕 地検、捜査を問題視


社会
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 豊見城署が窃盗事件容疑者の男性(46)の関係先を捜索する際、本来必要な裁判官からの令状を得ていなかったことが18日、捜査関係者への取材で分かった。豊見城署は男性を緊急逮捕し、那覇地検に送致したが、地検はいったん釈放した後、検察官が窃盗容疑で緊急逮捕し直していた。関係者によると、地検は同署の捜査手法を問題視したという。県警は一連の捜査活動について「事案について調査を終え次第、適切に対応したい」とコメントした。

 捜査関係者によると、捜索差し押さえ許可状に基づかない捜索で得られた証拠品は、違法捜査による収集証拠となり、公判では排除される可能性があるという。通常なら、着衣やバッグなどの携行品に対する捜索でも裁判所からの捜索差し押さえ許可状の発付を得て捜査を行うという。

 8月11日、那覇市内の宿泊施設でルームキー2本が盗まれる窃盗事件が発生。豊見城署は同日、容疑者とみられる男性を発見した。その後、裁判所からの捜索差し押さえ許可状の発付を得ずに男性の関係先を捜索したところ、ルームキーを発見し、窃盗容疑で緊急逮捕していた。

 同署は男性を窃盗容疑で那覇地検に送致したが、那覇地検は13日、男性の身柄をいったん釈放し、緊急逮捕し直していた。関係者によると、検察側が同署の捜査手法を問題視したという。那覇地検は逮捕し直した理由などについて「回答は差し控える」と述べるにとどめた。男性の弁護人は「事実関係を確認している段階。手続きの違法性が問えるかどうかは、検察にも問い合わせた上で検討したい」と述べた。