スナギンチャクの新種、大浦湾などで発見 琉球大など研究チーム


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 米倉 外昭
大浦湾や奄美大島の水深30~40メートルで発見されたスナギンチャク類の新種・カナボウヤギスナギンチャク(提供)

 琉球大学とかごしま水族館などの研究グループは18日、名護市の大浦湾や鹿児島県の奄美大島、加計呂麻島の水深30~40メートルに生息する新種のスナギンチャク類を見つけたと発表した。琉球大のジェイムズ・デイビス・ライマー准教授によると、新種の和名は金棒の形に似ていることから「カナボウヤギスナギンチャク」と名付けた。

 研究グループのDNA解析や形態観察などの結果から、カナボウヤギスナギンチャクは褐虫藻を持たず、プランクトンを食べて生きていることが分かった。また、エビや貝などとも共存していた。スナギンチャク類は、内湾沿岸部の砂泥底に生息している。

 ライマー准教授は「新種に含まれる化学物質の解明や共生生物の研究などに役立ててほしい」と話した。

 研究成果をまとめた論文は8日、日本動物学会誌「Zoological Science(ズーロジカル・サイエンス)」に掲載された。