沖縄県が防衛局長らを呼び出し抗議「全く改善がない」 オスプレイ部品落下


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防衛省の小野功雄沖縄防衛局長(手前)と外務省の橋本尚文沖縄担当大使(左)を県庁に呼び、抗議する謝花喜一郎副知事=19日午前11時45分ごろ、那覇市

 沖縄県の謝花喜一郎副知事は19日、外務省の橋本尚文沖縄担当大使と防衛省の小野功雄沖縄防衛局長を県庁に呼び出し、12日に発生した輸送機MV22オスプレイからの部品落下に抗議した。事故原因究明までの同機種の飛行中止や再発防止を求めた。オスプレイの配備撤回や普天間飛行場の早期閉鎖・返還にも言及した。

 謝花副知事は「重大な事故につながりかねず、周辺住民や県民に大きな不安を与える。原因が究明されていないのに翌日から同機種の訓練が行われたことは言語道断だ」と語った。2004年に沖縄国際大へ米軍ヘリが墜落した事故から17年を迎えた当日に、落下事故の報告があったことから「全然何も変わっていないんだと強い衝撃を覚えた」と強調した。

 訓練頻度が高くなっている時期に事故が多くなるのではないかと疑問を投げかけ「まずは訓練を中止して(機体を)総点検していただきたい。日本政府としてももう一歩踏み込んだ強い姿勢で米側に求めてほしい」と訴えた。

 通報が事故の翌日だったことについても「事故発生時の迅速な通報について再三申し入れてきたのに全く改善がみられないのはきわめて遺憾だ」と述べた。日米が合意した通報ルートについて、地元の米軍が誤った解釈をしている恐れがあると指摘し、改善を要請した。

 橋本大使は「いらだちや不安は共有しており、再発を防止したい気持ちは同じだ。東京に報告した上で検討してもらいたい」と答えた。小野局長は「重く受け止めている。迅速な通報についても改めて本省にも伝え、米側にも申し入れたい」と語った。

 12日午後9時半ごろ、普天間飛行場所属オスプレイが訓練場から普天間飛行場に戻る際、機体から重さ約1・8キログラムのパネルとフェアリングと呼ばれる覆いが落下した。