陸上自衛隊が今月末に、宮古島市城辺保良の陸自保良訓練場へ地対艦、地対空ミサイルなどの弾薬を本格的に海上から搬入する方向で準備を進めていることが19日までに分かった。28日に海上自衛隊の輸送艦を使って九州の自衛隊施設から平良港へ運び込む計画を軸に調整している。6月2日から搬入作業を始めているが、ヘリによる少量の空輸にとどまっていた。
複数の関係者が明らかにした。陸自は12日、宮古島市に平良港の「入港前手続様式」(許可申請書)を提出した。平良港を使うには座喜味一幸市長の許可を得る必要がある。
宮古島へのミサイル搬入を巡っては、船・荷役の県内主要業者が弾薬の輸送や荷役を担わないとの意向を自衛隊に伝えた経緯がある。民間船で輸送することも検討していたが、海自の輸送艦を使う見通し。
防衛省は2019年3月、南西諸島の防衛強化の一環で宮古島駐屯地を新設。地対艦・地対空ミサイル部隊(240人)と警備隊と合わせて約700人が配備されている。
19年4月、ミサイルは置かないと事前説明していた駐屯地内の「保管庫」に、迫撃砲の砲弾や中距離多目的ミサイルの弾薬が置かれていたことが判明し、島外へ出していた。
弾薬庫3棟のうち2棟が完成して21年4月から使い始めたことから、6月に搬入を始めていた。陸自は詳細を伏せたまま搬入を始め、玉城デニー知事や座喜味市長は反発していた。ただ、最初の持ち込みは空輸で少量しか運べていなかった。
(明真南斗、佐野真慈)