沖縄尚学の2回戦みどころは?「わんこそば打線」盛岡大付の戦力分析<夏の甲子園>


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阿南光-沖縄尚学 2回2死一、三塁の好機に適時打を放つ沖尚の下地泰世=16日、兵庫県の阪神甲子園球場(喜瀨守昭撮影)

 甲子園での県勢通算101勝目に挑む沖縄尚学は、大会第9日の22日第4試合(午後3時30分開始予定)で岩手代表の盛岡大付と顔を合わせる。2回戦を前に沖尚ナインに意気込みを聞いた。盛岡大付の戦力分析や試合の見どころも紹介する。

 全国高校野球選手権大会に県代表で出場している沖縄尚学ナインが19日、2回戦へ向け報道陣の取材に応えた。宿泊する大阪府内は連日雨天が続き屋内練習が続いているが、晴れ間がのぞいた19日は野外でシートノックや実戦を想定した守備練習を実施した。仲宗根皐主将は「雨の中で試合が進むこともある。今日は一番良い練習になった」と手応えを感じていた。

 2回戦の盛岡大付(岩手)は地方大会から含め、6試合で8本塁打を放つ長打が売りのチーム。次戦の先発はまだ発表されていないが、エースの當山渚投手は「まずは投げミスしないこと。打者も狙い球を絞ってくると思うが、バッテリーで会話しながら(打者の)裏をかいた投球で強気に攻めたい」と最少失点で勝利を導く投球をイメージする。

 16日の初戦で先制適時打を放ち、猛攻の口火を切った主砲の知念大河は相手のエース投手を警戒する。「低めの変化球に惑わされず、甘い球を強くスイングしたい」と意気込む。勢い付くと波に乗る盛岡大付も「派手さはあるが弱点もある。しっかり分析しているので大丈夫」と勝利を確信している。

盛岡大付属はどんなチーム?

鹿島学園―盛岡大付 被安打5で完封した盛岡大付の渡辺翔真(岩手日報社提供)
盛岡大付の打撃の中心を担う、3番・一塁手の金子京介(岩手日報社提供)

<守備・投手力>エース渡辺、変化球多彩

 エースの渡辺翔真は制球力重視の技巧派。これまで先発5試合のうち3試合で完投した。16日の鹿島学園戦は、内外角のコースを突く投球で被安打5の完封勝ちを収めた。130キロ台後半の直球に、スライダーやカーブ、チェンジアップと多彩な変化球で打者を翻弄(ほんろう)する。バックは無失策の堅守で支え、走者を背負ってからも落ち着いた守備で進塁を阻む。
 

<攻撃力>「わんこそば打線」売り

 どこからでも起点を作れる、切れ目ない「わんこそば打線」が売り。岩手大会からの計6試合で長打23、うち8本塁打を放ち、打率3割5分6厘。平均176センチ、77キロと恵まれた体格から長打を生み出す。中でも3番・一塁手の金子京介は岩手大会(5試合)で毎試合本塁打を放ち、16日の鹿島学園(茨城)戦も4打数3安打と打線の軸になる。高校通算60本超えの切り込み隊長、松本龍哉・三塁手など中軸は打率4~5割を誇る。
 


試合の見どころは?

 内外角の隅を丁寧に突く相手エースを、沖尚打線が捉えられるかが鍵。相手初戦の鹿島学園戦は、ボール先行になる場面もあったが、打たせて取る投球で無失点。打ち上げてしまわないよう、たたき付ける強い打球を期待したい。

 沖尚は初戦で犠打に失敗する場面もあったため、初球で確実に送れるよう修正を期待したい。

 守りでは、長打が売りの相手上位打線に警戒が必要だ。走者が出ると一気に攻撃を仕掛ける特徴があるため、四死球で出塁を許すことは避けたい。失点を恐れず攻めの守りで、気後れすることなく臨めれば勝機も見えてくる。