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二胡で奏でる沖縄のメロディー「音楽で日中の架け橋に」 二胡奏者・MAYAさん


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二胡奏者のMAYAさん(本人提供)

 彼女が奏でる鮮やかで優しい二胡の音色が観客を魅了する。14歳で中国に渡り約10年間、高校や大学で学んだ。昨年帰国し、都内で二胡教室を開きながら演奏活動を続ける。

 テレビで見た音楽グループ「女子十二楽坊」に衝撃を受け、8歳から自宅近くの公民館で中国人の演奏家から二胡を習い始めた。初めて弾いた曲は「きらきら星」。二胡は音を出すのが難しく弾けるようになるには1カ月ほどかかると言われているが、すぐにできた。それが楽しく、夢中になっていった。

 本場中国で本格的に二胡を学びたいと、中学2年で北京現代音楽学院に編入した。「いろいろな習い事をしたが、続いたのが二胡だった。そんな私を見ていた母が背中を押してくれた」と振り返る。学校では実技だけでなく、音楽理論やピアノの授業もあった。卒業後は北京の中央民族大学音楽学部に進学。昨年6月、中国音楽学院(大学院)で修士号を取得した。

 今年、ファーストアルバム「ウチナー味」をリリースした。初めて作曲にも挑戦した。演奏会では必ず喜納昌吉の「花」など沖縄の名曲や民謡を弾くようにしている。楽しい思い出が詰まった古里に思いをはせ、音色にのせる。「沖縄の曲では、誰にも負けないという気持ちになるし、自信が湧き上がってくる」

 約10年間、北京で過ごし、素晴らしい先生や演奏家に巡り会えたことが財産だと言う。今後は演奏家としての活動のほか、中国で築いた人脈を生かして日本で二胡を学ぶ人と中国の演奏家や講師をつなげていく活動を視野に入れる。「日本と中国を拠点に、両国の懸け橋になれるようにしたい」と語った。


 マヤ 1995年、県出身の父と中国人の母の間に生まれ、1歳で北京から沖縄に移り住む。那覇市内の中学校から北京現代音楽学院に編入。中央民族大学を卒業後、中国音楽学院で修士号を取得。中国政府主催のコンクールで2017年に銀賞を受賞した。