「しっかりジャッジして試合支えたい」 東京パラで車いすテニス線審・大嶺和己さん


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パラリンピックの車いすテニスに線審として参加する県テニス協会の大嶺和己さん=9日、浦添市のテニスカレッジ・ミュー インドア安謝校

 24日に開幕する東京パラリンピック。県テニス協会理事で審判委員会委員長を務める大嶺和己さん(55)=那覇市=は、車いすテニスの線審として参加する。心地よい緊張感と高揚感を胸に「選手たちがいいパフォーマンスを発揮できるよう、しっかりジャッジをして試合を支えたい」と意気込みを語った。

 テニスを始めたのは社会人の頃。当時は県外勤務で、寮の近くにあったテニススクールに半年ほど通った。その後結婚し、子どもが生まれた。長女が小学1年生の時にテニスに興味を持ち、次女と共に首里のスクールに足を運んだ。

 子どもたちが成長し県代表として活躍する中で、自身もテニスの普及に携わるようになった。ルール講習会を受け、2011年には日本テニス協会公認のC級審判員の資格を取得。翌年には国民体育大会の九州ブロック大会に審判として初参加し、これまで数多くの国内・国際大会で主審や線審を務めた。

 「子どもたちと楽しみながらテニスに携わり、試合のサポート役としての経験を積んだ」。年に1度の講習を受け、15年にB級審判員、16年にB級レフェリー、17年にB級チーフアンパイアと、次々と資格を取得した。「線審や主審が一体となって選手を引き立てる。共に試合をつくっていく感覚がある」とやりがいを語る。

 東京パラリンピックへの参加が決まったのは19年8月ごろ。今月24日に上京し、27日から都内で始まる車いすテニスの線審として競技を支える。

 新型コロナウイルスの影響で予定されていた県内の大会が中止になるなど、審判の経験を積む機会は例年より減少した。その中でも、イメージトレーニングを重ねて当日へ備える。「県内のテニス界にフィードバックできるよう、貴重な経験を持ち帰りたい」と力を込めた。

(吉田早希)