宮古島市長、弾薬搬入で港使用を不許可  感染防止理由、国に通達


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座喜味一幸宮古島市長

 【宮古島】陸上自衛隊が28日にも予定する陸自保良訓練場(宮古島市城辺)へのミサイルなど弾薬搬入について、同市の座喜味一幸市長は平良港の使用を「不許可」とした。25日までに文書で沖縄防衛局と陸自西部方面隊に通達した。陸自は12日付で平良港の使用許可を市に申請していたが、搬入時期や方法を再検討する見通し。

 陸自は海自輸送艦を使って海路で九州から宮古島へ弾薬輸送を計画していた。宮古島市の条例で港の使用には市長の許可が必要と規定されており、今回の計画は見直さざるを得ない形だ。計画を管轄する陸自西部方面隊は今後の対応について「詳細は差し控える」とした。

 座喜味市長は本紙の取材に「緊急事態宣言中であり、市内の新型コロナウイルスの感染状況は大変厳しい。現状では受け入れられない」と説明した。市は複数回にわたって対策本部会議を開き許可申請について協議した。新型コロナの感染拡大が続く市内の状況を鑑みて「搬入延期」を求めることを決め、23日には文書で防衛局に申し入れた。

 座喜味市長によると、25日までに防衛局からは「延期」ではなく、輸送に関わる隊員のPCR検査やワクチン接種などコロナ対策を徹底する旨の回答があった。座喜味市長は「対策うんぬんではない。市は感染防止のために観光や仕事も含めて島外から来ないでほしいと強く求めている。この状況での搬入は市民感情として受け入れがたい」と語った。