伊平屋村長選 立候補者に聞く 29日投開票


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(左から)名嘉律夫氏、伊礼幸雄氏

 【伊平屋】任期満了に伴う伊平屋村長選挙が29日、投開票を迎える。立候補したのは、新人で前村議会副議長の名嘉律夫氏(59)=無所属=と4期目を目指す現職の伊礼幸雄氏(74)=無所属。田名漁港整備事業を巡る補助金返還問題や経済振興などが主な争点となる。両氏に立候補の決意や主な公約などを聞いた。


名嘉律夫氏 若者定住へ住環境を整備

名嘉 律夫氏

 ―出馬した理由は。

 一連の職員による不祥事、田名漁港の補助金返還問題を受けて行政運営の刷新に取り組みたいと考えた。村民から変化を求める声もあり決意した。

 ―主な公約は。

 農業については先端技術を導入し生産力と所得向上を進め、後継者不足の解消につなげたい。漁業関連施設の老朽化にも対処する。地域資源を活用した6次産業化も進めたい。若者の定住促進のため、住環境や労働環境を整備したい。

 ―現村政への評価は。

 新製糖工場の建設など「箱もの」には実績があるが、既存の堆肥センターなどが機能していない。公約としている伊平屋空港建設も実現できていない。

 ―田名漁港整備事業を巡る補助金返還問題についての考えは。

 裁判の結果に基づいて対処したい。裁判所から和解案などが示されれば、住民側と相談しながら進める。

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 なか・りつお 1961年11月14日生まれ。村島尻出身。工学院大学専門学校卒。建設会社勤務などを経て2002年に村議初当選。村長選出馬のため5期目途中に辞職。


伊礼幸雄氏 交通利便性を高め活性化
 

伊礼 幸雄氏

 ―出馬した理由は。

 田名漁港整備事業を巡る問題で住民監査請求や訴訟に発展した。当初は3期までと考えていたが最後まで自らの責任で対応し、解決したいと決意した。

 ―主な公約は。

 伊平屋空港の早期着工と、伊平屋と伊是名を結ぶ架橋の整備促進を、伊是名村と連携して取り組んでいきたい。交通の利便性が高まり地域活性化につながるはずだ。災害対策のため、診療所などの高台移転計画も進めたい。

 ―村政運営の手応えは。

 小学校の全面改築、産業連携拠点センターや製糖工場などの建設に取り組んだ。新たな「フェリーいへや」の就航で交通の利便性を高めた。

 ―田名漁港整備事業を巡る補助金返還問題についての考えは。

 訴訟の状況を見守り対応する。できれば原告側と和解し決着をつけたい。村民には謝罪したい。

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 いれい・ゆきお 1947年8月17日生まれ。村田名出身。岡山県立邑久高卒。70年に村役場入り。収入役などを経て、2009年に村長選初当選。現在3期目。