【宜野湾】米軍普天間飛行場周辺の農家は「米軍のやりたい放題だ」とやるせなさをにじませ、農作物への風評被害を懸念した。
「またかという諦めの気持ちが強くなる」。市大山で田芋とレンコンを育てる宮城優さん(57)は嘆く。米軍基地から派生する水質汚染の報道がある度に風評被害に悩まされる。消費者から「この地域のものは買わない」と言われることもあるという。消費者の不安をあおるような米軍の行動に「どんどんやる気がそがれていく。(米軍は)市民のことなんて一切考えていないんだろうな」と語った。
2019年に実施された京都大学の調査で、有機フッ素化合物は作物には蓄積されにくいとされた。
小泉昭夫京都大学名誉教授(環境衛生学)は「(放出水の濃度は)日本国内の水道水の中でもかなり低い数値だ。有機フッ素化合物は分解されにくく蓄積するため、濃度が低くても排水の量が増えれば化合物の総量は増えるが、この濃度なら問題ないだろう」との見方を示す。
田芋農家の伊佐実雄さん(85)は「土壌も調査し、影響は少ないと結果は出ている。だから問題ないと考えている」と作物の安全性を強調する。一方で「風評被害が心配だ」と話した。