上与那原「一つ恩返しできた」陸上車いす、粘りの銅メダル トラック種目で県勢初


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
男子400メートル(車いすT52)決勝で銅メダルを獲得した上与那原寛和=27日、東京・国立競技場

 東京パラリンピック第4日の27日、陸上男子400メートル(車いすT52)の決勝が東京の国立競技場で行われ、沖縄市出身の上与那原寛和(50)=SMBC日興証券=が59秒95で3位に入り、銅メダルを獲得した。陸上トラック種目でのメダル獲得は県勢初。4大会連続出場となる上与那原は2008年の北京大会車いすフルマラソンの銀に続き、パラリンピックで自身二つ目のメダルとなった。佐藤友祈(モリサワ)が55秒39の大会新を記録し金メダルを手にした。

 3着以上に入れば決勝に進出する27日午前の予選は、第1組を1分1秒05の2位で通過した。午後に行われた決勝には8人が出走し、上与那原は5レーンスタート。序盤から激しい3番手争いを演じ、最終盤に抜け出して4位と0・62秒差の3位でゴールした。

 レース後、目尻を下げながら「形あるものが取れて、応援してくださった方々に一つ恩返しができた」と喜びを語った。

 開幕直前のクラス分けで障害が一つ軽いクラスに変更になり、メダル獲得が難しくなった盟友の伊藤智也(バイエル薬品)について自ら触れると、声を詰まらせた。「一緒に切磋琢磨(せっさたくま)しながら、彼から受けた指示を貫いたことがいい結果につながった」と感謝を口にした。上与那原は29日の午後8時42分から予定される1500メートル決勝にも出場する。