FC琉球、秋田に2―1で逆転 3位に浮上 福井が豪快な決勝弾放つ


社会
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 サッカー明治安田J2第27節は28日、各地で行われ、サッカーJ2のFC琉球は沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムでブラウブリッツ秋田と対戦し、2―1で逆転勝利した。15勝6敗6分けで勝ち点51。3位に順位を上げた。

 前半は互いに得点を奪えず0―0で折り返した。後半は先制点を奪われたが、得たPKを阿部拓馬が32分に決めて同点、途中出場の福井諒司が38分に2点目を決めて逆転した。

 次戦は9月4日、トランスコスモススタジアム長崎でV・ファーレン長崎と対戦する。


34歳福井、豪快決勝弾 途中出場「思い切り蹴った」
 

琉球―秋田 後半38分、逆転ゴールを決め仲間と喜ぶ琉球の福井諒司(中央)=28日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(喜瀬守昭撮影)

 後半32分、1―1に追い付いた直後に琉球に不穏な空気が漂った。DFの知念哲矢が相手と競り合った際に着地に失敗、右膝を抱えながらそのまま倒れ込んだ。守備の要を失い、一時はチームも沈みかけたが、ここから悪い空気を振り払い、勝利を呼び込んだのは34歳のベテラン福井諒司だった。

 知念に代わってピッチに入った3分後。「取りあえず1発打って試合に入ろうと、思い切り蹴っといた」と左足で豪快な逆転弾を突き刺した。均衡を破る貴重なゴールに、チームのボルテージは一気に上がった。樋口靖洋監督は「練習でも見たことのないスーパーゴール」とちゃかしながらも賛辞を惜しまなかった。

 上里一将主将は「ボールを保持しながらも前半はゴールが遠く、(2得点した)後半は連動性のないロングを入れて周りの選手が動かざるを得なかった。サッカーは難しく面白いなと思ったが、みんなが連動性への意識を共有できればチームはもう一段階上にいける」と振り返った。

 試合では、久しぶりに右サイドバックに復帰した田中恵太が再度肉離れの痛みを訴え、前半37分に交代した。残り15試合、不安要素を抱えながら走り続けなければならない。上里主将は「泥くさくでも上位チームに引っ付いていかないといけない」と決意を込めた。

 (大城三太)


我慢強くやりきった

 樋口靖洋監督(琉球)の話 90分通して難しくタフな試合だった。ホームの連敗を止めて勝ち点3を取ることができた。秋田は球際には来ないでこちらが2、3回パスを回すと下がるような動きだった。選手たちは自分たちのスタイルを貫いて我慢強く、じれずにやりきってくれた。

粘り強く戦った

 吉田謙監督(秋田)の話 チーム一体で粘り強く戦ってくれた。コンパクトにポジションを保ち、強い気持ちから先制点が生まれた。これからも選手たちを信じ、秋田のためにひたむきに走っていきたい。日々の練習から粘り強く積み上げていきたい。


(2)タピスタ(琉球1勝1分け)

琉球 15勝6分け6敗(51)
 2―1(0―0,2―1)
秋田 7勝10分け10敗(31)
▽得点者 【琉】 阿部(PK)(5)福井(1)【秋】 井上(2)

 【評】前半、琉球はボールを保持しながらも秋田の守備を崩せなかった。後半失点後は、ボール保持のために守備からつくり直すパス回しより、前へボールを放り込む回数が多くなり、結果として2得点につながった。相手守備が深く引いたことで、セカンドボールを奪いチャンスを広げた。