「全国に当事者いる」 ガマフヤー具志堅さんらが地方議員に訴え


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名護市辺野古の新基地建設に沖縄戦の犠牲者の遺骨が含まれる土砂を使用しないよう求める意見書を可決してもらおうと、開かれた自治体議員に向けの緊急オンラインセミナーの参加者ら=29日

 【東京】全国地方議会の9月定例議会開会を前に、名護市辺野古の新基地建設に沖縄戦犠牲者の遺骨が含まれる土砂を使用しないよう求める意見書を可決してもらおうと、自治体議員向けのオンラインセミナーが29日、開かれた=写真。沖縄の基地問題を考える小金井の会が主催。沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表の具志堅隆松さんや「新しい提案」実行委員会責任者の安里長従さんらが意見書可決の意義を訴えた。

 具志堅さんは土砂採取計画断念を要請する文書を1743の県議会と市町村議会に送ったことを報告。遺骨土砂問題について「基地に賛成、反対という問題ではない」と指摘し、「全国に当事者がいる。自分の地域のこととして、犠牲者の尊厳を守るために計画を断念してほしいと国に声を上げてほしい」と呼び掛けた。

 安里さんは普天間飛行場移設など米軍基地を巡る問題は「本土が押し付けた問題だ。ボールは本土にある」と強調。「全国の議会が国に声を上げることが大事だ。声が大きくなればなるほど、国に届く」と協力を求めた。沖縄県議会からは喜友名智子県議が意見書可決に至る経緯などを報告した。

 セミナーには、全国の地方議会議員や市民団体のメンバーら約70人が参加。神奈川県の大磯町議会が9月1日に議会運営委員会で委員会審査を決定することや、茨城県の取手市議会や北海道の旭川市議会では議員提案で意見書案を提出する予定があるなど、各地方議員から報告があった。