【一問一答】伊平屋村長当選の名嘉氏「村政への信頼取り戻す」 定住促進へ住宅整備


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村政刷新に向けた抱負などを語る名嘉律夫氏=30日、伊平屋村島尻の自宅

 【伊平屋】29日投開票の伊平屋村長選挙で、初当選した新人で前村議会副議長の名嘉律夫氏(59)に30日、村政の刷新に向けた抱負などを聞いた。(聞き手・長嶺晃太朗)


 

 ―現職に対し76票差をつけ初当選した。勝因は。

 「一連の不祥事や田名漁港を巡る補助金返還問題が解決されず閉そく感があった。失った信頼を一日も早く取り戻したい」

 ―補助金返還問題では住民訴訟が起こっている。村長としての対応は。

 「今後、村として伊礼幸雄現村長個人を提訴する流れになる。裁判の結果、和解案などが示されれば住民側と相談しながら対応する」

 ―村民の所得向上に向けた取り組みは。

 「村財政を立て直すためには所得を高める必要がある。農業では、製糖工場はできたが、サトウキビの生産量が少ない。機能していない堆肥センターの活用などを行い生産性を高めたい。観光業については、観光協会や企業、伊是名村などと連携しながら誘客していきたい」

 ―伊平屋空港の整備に向けてどう取り組むか。

 「村で事業計画をしっかり作成し、交渉する航空会社の幅を広げていきたい。任期中に着工が実現できるようにしたい」

 ―若者の定住促進に向けた取り組みは。

 「島に帰って来たが住む家がないとの声が上がっている。国や県の補助金などを活用し住宅を整備していきたい」

 ―新型コロナウイルスへの対策は。

 「ワクチン接種の済んでいない人は来島を遠慮してもらうなど、入り口でしっかりブロックできる体制を構築したい」

 ―過去約50年間で行政経験のない村長は初めてとされる。

 「20年近く議員として築いてきた関係や、建設業での経験を行政の中で生かしていきたい」

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 名嘉 律夫氏(なか・りつお) 1961年11月14日生まれ。村島尻出身。工学院大学専門学校卒。建設会社勤務などを経て2002年に村議初当選。出馬のため5期目途中に辞職。