「沖永良部民謡集」が復刻 故・大村隆二さんの音源使い 鹿児島の山内さん


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収録に臨む大村さんの写真と復刻版CDを手にする山内誠一郎さん

 【沖永良部】沖永良部島を代表する島唄や、現在では歌われなくなってしまった民謡などが収められたレコード「沖之永良部民謡集」の復刻版が8月11日、50年の時を越えCDとして発売された。

 当時レコードを制作したのは、戦後の沖縄・奄美で地域密着型メディアとして親しまれた「親子ラジオ」を沖永良部島で放送していた知名有線放送所の故・大村隆二さん。島内の集落を訪ねて民謡を録音し、1971年に発売した。あいさつ文に「民謡は心の故里。偉大な遺産、滅び行く郷土の民謡を後世へ永久に残さなければ」と記している。

 貴重な音源を大村さんの家族から譲り受けた山内誠一郎さん(69)=鹿児島県和泊町=は、大村さんを師と仰ぎ、10代の頃から録音・音響関係の技術を教わっていた。山内さんは退職を機に島の歴史文化の映像・音源化に力を入れるようになり、「大村さんの遺志を受け継ぎたい」とCD化を決めた。

 復刻版CDの発売後、山内さんの元には「久しぶりに島の民謡を聞いて涙が出た」などのコメントが寄せられているという。「復刻盤 沖之永良部民謡集」は2枚組で全23曲入り、3300円(税込み)。おきのえらぶじま観光協会のオンラインショップなどで購入できる。
 (宮澤夕加里通信員)