きょう「古酒の日」 与那国の花酒など45度超も「古酒」表示可能に 


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
アルコール度数45度を超える泡盛の古酒表示が始まることをPRする泡盛の女王の金城希さん=3日、那覇市港町の県酒造組合

 高濃度泡盛協議会(玉那覇美佐子会長)は、アルコール度数45度を超える泡盛について、3年以上貯蔵したものに「古酒」と表示することを認める自主基準を、「古酒の日」の4日から施行する。与那国町の花酒に代表される高度数の泡盛は、これまで古酒と表示することが認められていなかったが、消費者に分かりやすい形で示すことが可能となる。

 45度を超える泡盛は、酒税法上は「原料用アルコール」に分類される。財務省は2020年4月に、黒こうじ菌を使用した米こうじと水を原料として発酵させ、単式蒸留器で蒸留したものに限って、46度以上でも「泡盛」の表示を例外的に認めることとした。

 「古酒」の表示についても基準を定めるため、県酒造組合に加盟する酒造所のうち、原料用アルコールの製造免許を持つ22社が、任意団体の高濃度泡盛協議会を設立した。

 自主基準では、全量が3年以上貯蔵した泡盛の場合に「古酒」の表示を認める。ブレンドした場合の年数については、最も貯蔵年数の若いものを表示する。古酒を10%以上ブレンドしたものは、割合を表示した上で「混和酒」の表示を認める。

 県酒造組合によると、原料用アルコールの出荷量は19年度の37キロリットルから20年度は3・7倍の138キロリットルに伸びた。海外向けは度数の高い酒を好む中国向けなどの出荷が好調で、19年度の20リットルから500倍の10キロリットルとなった。県内と県外向けは、新型コロナウイルス感染対策の消毒用アルコール需要が大きかった。

 泡盛の女王の金城希さんは「自宅で仕次ぎをする際に高濃度の泡盛で育ててきた。古酒表示ができるようになり、仕次ぎに安心して使っていけるようになる。多くの人に浸透していくとうれしい」と話した。