退陣表明の菅首相に沖縄の首長らの思いは 基地返還、コロナ対応に経済対策…


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 菅義偉首相の退陣が決まり、沖縄県内の首長からは驚きの声とともに、これまでの沖縄振興への関わりに感謝する声や政治の空白期間を避けるよう求める声が上がった。

 宜野湾市役所市長室には、7月に首相官邸で撮った菅氏と松川正則市長のツーショット写真が飾られている。菅氏が官房長官時代に沖縄基地負担軽減担当相を兼ねたこともあり、松川市長の上京の際にも時間を取って面談する間柄だった。

 松川市長は市道宜野湾11号の供用開始や米軍キャンプ瑞慶覧・西普天間住宅地区の返還に取り組んだことに感謝し、「大変気に掛けていただいた。普天間飛行場負担軽減推進会議などで一生懸命取り組んでいただいた」と述べた。

 政府が普天間飛行場の移設先とする名護市の渡具知武豊市長は「県、特に本島北部地域の振興、発展にもご尽力していただいた。名護市のことは常に気に掛けていただいた。任期の残り期間はご自愛いただき、務めを果たされることを祈念している」と述べた

 桑江朝千夫沖縄市長は「(退陣は)残念だ。沖縄アリーナは菅氏の力添えで早期の整備が進んだ。東部海浜開発事業の推進にも力を入れてもらった」と話した。

 城間幹子那覇市長は「新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい、前例のないコロナ対策に全精力を傾けたと思う。さまざまな苦労があったと思うので今は体をいたわってほしい」とコメントした。

 県町村会会長の宮里哲座間味村長は「突然の辞意表明には驚いた。本人が決めたことなのでコメントする立場にはないが、昨今の新型コロナの状況や沖縄を含めた経済対策など、一瞬の空白をつくることなく次の方に引き継いでほしい」と述べた。