【識者談話】菅首相は沖縄に「社会的距離」(新城和博・ボーダーインク編集者)


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 官房長官時代から沖縄政策に深く関わった菅義偉首相が、コロナ禍のさなかに政権運営から身を引く。県内の文化、医療の関係者が菅政権を振り返り、新たな首相への要望を語った。

 菅首相は安倍政権の官房長官時代に、当時の翁長知事との協議で「私は戦後生まれなので沖縄の歴史はなかなか分からない」と発言していた。国の政治に携わる人が、そのような考えでよいのか強く疑問に感じた。

 基地問題では門前払いで、沖縄に冷淡だった。コロナ禍よりも前から、沖縄は菅さんにソーシャルディスタンスを取られてしまっていたように感じる。

 安倍政権が終わるときに私は「次期政権は沖縄に耳を傾け、論理的な対話をしてほしい」とコメントしたが、まったくそうはならなかった。安倍政権の続きで「安倍政権プラス1」のようになってしまった。菅さん個人の問題ではなく、国自体がそういう体質になっているのではないか。

 記者会見でも質問に答えない状況が続いてきた。人の話に耳を傾け、質問を把握し、質問に沿って答える首相が出てきてほしい。