地名に秘められた歴史と魅力は? 長嶺晃太朗(北部報道グループ)


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

written by 長嶺晃太朗(北部報道グループ)

 饒波、喜如嘉、謝名城、浜、半地―。国道58号はもう何十回往復したのだろうか。やんばる地域を取材することが多く、道路沿いの標識や地図上に示された地名をよく目にする。今年4月に北部支社に赴任してから地域の地名を覚え、その由来を考えるのが小さな楽しみになっている。

 以前、地元那覇市首里の地名の由来を調べるのにはまっていた。例えば、首里桃原(とうばる)町。桃の産地という訳ではない。一説によると、「トー」は「平地」を表す言葉とされている。現地を歩いてみると、起伏が激しい首里の中では平地が多い方だと分かる。「桃原」という地名は県内各所に存在する。以前取材した国頭村の桃原区も海に面しており、起伏が少ない地形だった。辺土名商店街に向かう道はまっすぐだ。

地名を示す国道58号沿いの標識=国頭村内

 最近は地域に残る古い地名や小字名を探すのも好きだ。東村平良では「宇出那覇」と書かれた標識を目にする。高江には「車」と書かれたバス停がある。いずれも郵便住所ではあまり使われない地名だ。車って乗り物に関連するのだろうか、それとも「来間(くりま)」と同じ意味なのだろうか、いろいろ想像するのも楽しい。

 地名にはその地域の地形や特性が隠されている。各地を歩き、地域の人たちから由来を聞き、各地の魅力を発掘していきたい。

(国頭村、東村、大宜味村、伊平屋村、伊是名村担当)


ゆんたくあっちゃー 県内各地を駆け回る地方記者。取材を通して日々感じることや裏話などを紹介する。