【識者談話】子どもの貧困対策 惰性も散見、達成へ意志表示を(島村聡・沖大教授)


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島村 聡氏

 分厚い貧困層に対し、思い切った手を打たなければならないという認識で子どもの貧困対策が始まったが、立ち上げ時と比べて熱量が落ち、惰性で行っている施策もある。県のみが悪いのではなく、市町村が本腰を入れなければならない施策もある。

 現場に問題意識の薄さ、危機感のなさがあり、施策はあっても動かす段階で機能不全を起こしているものもある。何をやるかではなく、どのようにしてやるかという部分でうまくいっていない。

 一方、うるま市などは全体をうまく動かし、多くの部署がそれぞれでシステムをつくっている。やんばるではコーディネーターを中心に子どもの居場所づくりや支援者のバックアップ体制ができ、重層的な相談支援体制が構築できている。

 最終評価報告書案は、今後の課題や展開について「~に取り組む必要がある」と羅列しており、面食らった。何がうまくいき、何が課題なのかが見えない。今後、第2次計画が策定されるが、中核として実施する施策は何かを示し、それだけは100%達成するという意志をはっきりさせないといけない。
 (社会福祉)