【深掘り】自民党総裁選、県選出の3議員の動きは?


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 【東京】17日告示、29日投開票の自民党総裁選に向けて県選出の同党国会議員の動きが活発化している。岸田派の国場幸之助衆院議員が岸田文雄前政調会長の支持を鮮明にする一方、竹下派の西銘恒三郎、宮崎政久両衆院議員は派閥の動向をにらみながら出方をうかがっている。対応が分かれる背景には、それぞれの所属派閥の事情が関連している。

 「岸田文雄をよろしくお願いします」。7日午後、国場氏の国会議員会館事務所では、秘書らが党員に岸田氏支援を呼びかける電話をかけ続けていた。4日には国場氏が後援会事務所を置く那覇市牧志のいとみね会館でリモート形式の会合を開くなど「派閥の長」の支持拡大に躍起だ。国場氏は「岸田会長本人だけでなく派閥内にも沖縄政策に通じた人材がそろっている。沖縄にとってベストの総裁候補だ」と強調した。

 一方、態度を明確にできていないのが竹下派の西銘、宮崎両氏だ。会長の竹下亘元総務会長が今期で引退を表明し、会長代行の茂木敏光外相が実質的トップとして派閥を取り仕切るが、総裁選に向けた方針は決めかねている状況だ。

 党内で茂木氏を推す声が高まらない中、西銘氏は同日、「派閥から総裁候補を出すべきだ」として加藤勝信官房長官と面会、出馬の意思確認を行った。西銘氏によると、加藤氏は「菅義偉首相を任期満了まで支えることに集中したい」として打診を固辞したという。

 竹下派から候補が名乗りを上げなかった場合、他派閥候補に投票せざるを得なくなる。西銘氏は「候補が出そろった段階で決める」と述べるにとどめた。

 宮崎氏は7日、党の若手議員の会合、竹下派若手の会合に相次ぎ出席。竹下派の会合では、茂木氏が総裁選に出馬した場合に派閥が結束する方針が確認されたが、不出馬の際の対応は意見が分かれたという。宮崎氏は「候補が出そろい、それぞれの政策が明らかになった段階で、地元の意見も踏まえて決める」と述べた。 

(安里洋輔)