沖縄出身の4選手が大きく貢献 神村学園が全国中学サッカー初制覇


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全中初制覇に貢献した(左から)東若泰雅、新垣陽盛、金城蓮央、徳村楓大(提供)

 県出身選手が所属する神村学園中等部サッカーチーム(鹿児島)が、8月に行われた全国中学校体育大会で初制覇を成し遂げた。先発メンバーで3年のMF金城蓮央(兼原小出)とDF新垣陽盛(大里南出)は優秀選手にも選出されるなど主軸として大きく貢献。2年東若泰雅(さつき小出)と徳村楓大(5年まで大北小)も全試合に出場し躍動した。松本翔監督は「一人一人能力が高く日本一になれると信じていた。沖縄の4人も大きな力になった」と奮闘をたたえた。

 強豪の青森山田との決勝は互いに譲らない激戦だった。神村が先制点でリードしたが、7分後に追い付かれた。その1分後。前線でパスを受けた金城がシュートを狙う。GKがはじいたこぼれ球をチームメートの名和田がさばいて2点目を奪った。しかし後半、再び得点を許し、延長は互いに無失点で勝負はPK戦に。2番手に金城、3番手に新垣が登場し期待に応える得点で勝利を引き寄せた。

青森山田との試合で突破を狙う金城蓮央(右)(提供)
青森山田と決勝戦。懸命に守るセンターバックの新垣陽盛(中央)(提供)

 もともとFWだった新垣は足が速く身長も高かったことから2年の時、チームの守備力強化のためDFにポジション変更した。センターバックに就き守備の要として全中ではフル出場。失点3の堅い守りを引っ張り準決勝では1得点も挙げた。「1年の時からの目標を達成できて良かった。親にも恩返しできた」と喜びをかみしめた。

 右サイドハーフでゴールに迫るなど大きく勝利に貢献した金城も「初優勝のスタメンに入れたことを誇りに思う」と声を弾ませる。高等部の強さに引かれて中等部からの入学を決意。その前段として中等部で優勝する目標を実現し「高校で、選手権で活躍するという目標達成への一歩になった」と手応えをつかんだ。

 東若と徳村も「チームで掲げていた目標を達成できてうれしい」と声をそろえ、2連覇を見据えて「得点できる選手になる」と決意を新たにした。

 現在、神村学園の高等部にも県出身選手が在籍するなど、沖縄とのつながりができ、松本監督も金城ら沖縄の選手に入学を働き掛けたという。松本監督は「金城は1年の時から縦への突破力が抜きんでていた。新垣はDFで飛躍的に力を出してきた。貴重な選手」と太鼓判を押し、今後のさらなる成長を見通した。東若と徳本には「来年は主力として活躍してもらいたい」と連覇につなげることを期待している。
 (謝花史哲)