改めて「投げ銭」を考える モバイルプリンスの知っとくto得トーク[226]


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中国当局は、芸能人などに配信アプリでお金を送る「投げ銭」【※1】システムについて、未成年が使うことを禁止しました。

日本でも「投げ銭」がトラブルの元になる可能性があり、一人一人が考える必要があります。

 

※1 投げ銭 … スマホやPCで行う、課金の一種です。お金を直接送るタイプと、一度アイテムを購入し、そのアイテムを送るタイプの投げ銭があります。投げ銭を行うことで配信者が名前やコメントを読み上げ、お礼を言う文化があるため、認めてもらう・覚えてもらうために何度も課金をする人も多いです。

 

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投げ銭機能を活用するとライブ配信アプリの配信者を支援することができます。コロナ禍で仕事が減ったタレントやアイドルたちが新たな収入先として参入し、盛り上がりを見せています。

ライブ配信アプリによっては支援額をランキングで発表する仕組みもあるため、ファンとしては他の人よりも多く投げ銭を行い、目立って認めてもらいたい気持ちが生まれます。

ファン同士の投げ銭合戦を白熱させる仕組みです。

 

イラスト・小谷茶(コタニティー)

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基本的に未成年は高額な投げ銭ができないようになっていますが、スマホの設定によっては「保護者のクレジットカードが設定されていた」などの理由で、数百万円課金できる可能性もあります。

気がついたら投げ銭できてしまった→お金が減る実感がなく繰り返し投げ銭してしまう→保護者にバレて怒られるのは嫌だけど、投げ銭すると配信者に認めてもらえる→投げ銭の金額が膨れ上がり大問題に! ということです。

お金のやりとりが発生するコミュニティーでは、トラブルが起きたときに人間関係もこじれることがあります。「昔から投げ銭繰り返してずっと応援してきたのに、新規のあいつへの対応の方が丁寧だ!」と他のファンの強い思いが自分に向かってきたり、また、自分が誰かに強い思いを向けたりする可能性もあります。

投げ銭はお金がからむ行為なのでリスクがあるということです。あらかじめ家族とルールを決めて行いましょう。

 

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ スマートフォンアドバイザー、フリーライター。沖縄県サイバー防犯PR大使を務め、スマホやインターネットの活動講座を学校などで実施。本連載をまとめた著書「しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール」(旬報社)も発売中。

http://smartphoneokoku.net/