「生理の貧困」昼食代を節約、交換減らす…親に頼れず「毎月つらい」 沖縄の実態


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 琉球新報が7月にウェブで実施した「生理の貧困」アンケートでは、生理用品が入手できず困った経験のある102人のうち、6割が中高生を含む学生だった。さまざまな事情で親を頼ることができず、アルバイトなど自分で生理用品を購入している学生は約3割いた。一方、学校でアルバイトが禁止されている高校生もいて、昼食代を節約して購入したり、同じ物を長時間使用して交換回数を減らしたりするなど、人知れず悩みを抱えながら過ごしている

 「恥ずかしくて誰にも言えない」。本島南部の学校に通う高校3年生(18)は、毎月生理が来るたび「女に生まれて損した」と憂鬱(ゆううつ)になる。「家事は女性の仕事」と考える両親に納得がいかず、ほとんど話さない。以前は母親が使っているナプキンを使用していたが、サイズが大きくて「歩くたびにクシャクシャ音が聞こえる」と友だちに言われたことがあり、以来、昼食代のお釣りをためて購入している。アルバイトは学校が禁止している。「(経血の)漏れを心配しながら交換できず、ずっと同じ物を付けなきゃいけないのは屈辱的だ。臭いも気になる。毎月つらい」と苦しい胸の内を明かす。

 別の高校に通う本島南部の2年生(17)は父子家庭で暮らしている。買い物を頼まれた時に生理用品を購入していたが、レシートを見た父親に「なぜこんなに生理用品が必要なのか」と聞かれたことが恥ずかしくて、アルバイト代で購入するようになった。「なぜ高校生のうちから経済的な負担が出るのか納得がいかない。生理用品は毎月必ず必要で、症状によって必要な物が変わるという当たり前のことを、男の人も知ってほしい」と願う。

 本島北部の高校3年生(18)は生理用品が足りず、経血の漏れを心配しながらアルバイトをしたことがある。同居する母親とはあまり会話がない。「生理痛の薬が必要なときもある。生理用品の支援があれば活用したい」と話した。

 本紙アンケートには「相談場所がほしい」「アルバイトもできず小遣いもなくて、お年玉などでやりくりした」などの声が集まった。
 (嘉数陽)