次期振計策定へ 離島の課題議論 沖縄県振興審部会


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協議する県振興審議会の離島過疎地域振興部会の委員ら=13日、那覇市の自治会館

 2022年度からの新たな沖縄振興計画の素案を審議する県振興審議会の第4回離島過疎地域振興部会が13日、那覇市の自治会館で開かれ、離島・過疎地域の人口減少やインフラ維持などについて議論した。第4回までの議論を踏まえ、中間取りまとめに取り組む。

 オンラインで参加した宮里哲座間味村長=県離島振興協議会会長=は高校がない離島で、高校進学時に生徒と母親が本島など進学先に転居している状況について説明。「1家庭で3~4人が島を出ることになり、人口減少の原因だ。子どもたちがふるさとの離島に目を向ける機会もなくなってしまう」と問題提起した。

 琉球大学研究推進機構研究企画室の富永千尋特命教授は久米島町での海洋深層水利用などを挙げて、「(素案などに)離島のイノベーションの要素も盛り込んでほしい」と述べた。

 中間取りまとめには離島での廃棄物処理の効率化、海浜の節度ある利用や環境保全意識の醸成など、素案への追加文案を盛り込む予定。離島過疎地域振興部会は他の部会の中間取りまとめも踏まえ、11月に予定する第5回で最終的な報告書をまとめる。

 会議冒頭、宮里村長は村職員の横領が発覚した件など不祥事について「ご心配とご迷惑をおかけして申し訳ない」と謝罪した。