沖縄の大自然に触れアイデア創出 やんばる学びの森「SDGs社員研修」を提案


社会
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学びのゾーンには、世界自然遺産の森が一望できるポイントも。インターネット環境も整備されている=15日、国頭村安波のやんばる学びの森

 国頭村安波の村有施設「やんばる学びの森」は、やんばる国立公園内にある唯一の宿泊・保養施設だ。世界自然遺産に登録された本島北部の自然に触れる環境学習だけでなく、企業向け研修の活用にも期待が高まっている。

 今秋から指定管理を担う、学習塾運営アイ・ラーニングの加納滋徳社長は「豊かな環境に身を置くことで、チームワークの構築や多彩なアイデアの創出につながる」として、SDGs(持続可能な開発目標)を重視した社員研修を提案する。

 やんばる学びの森は米軍基地の返還跡地と、安波ダム建設時の残土置き場を活用して整備された。イタジイを中心に構成される周辺の森はほとんど手つかずのまま残され、希少種の宝庫となっている。

「リモートワークにも対応できる。大自然の中で心身共にリラックスして」と呼び掛ける加納慈徳社長=15日、国頭村安波のやんばる学びの森

 近年、自然体験型の社員研修を取り入れる企業も増えている。大自然という非日常的な環境で、社員間の親睦を深められるほか、参加者全員が主体となって課題解決に取り組むことでチームワークの構築にもつながるとしている。

 経済活動の根幹は全て環境問題につながっていると考える加納社長は、「SDGsを自分事として捉え、行動を変化させるきっかけになる。人材育成の鍵として、沖縄の恵まれた環境を企業力の向上に活用してほしい」と述べた。

 今後、利用を検討する企業や団体向けにオンライン内覧会も開設する。詳細はwww.atabii.jp

(当銘千絵)