久米島で「松くい虫」初確認 リュウキュウマツが多数被害


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島にいないとされていたマツノザイセンチュウ(松くい虫)によって赤く立ち枯れしたリュウキュウマツ=3日、久米島町西銘(同町役場提供)

 【久米島】久米島町で松を枯らす原因となるマツノザイセンチュウ、いわゆる松くい虫が初めて見つかったことが16日、分かった。8月上旬から島に自生するリュウキュウマツ数十本が赤く枯れていることを受け、町と県森林資源研究センターが関連を調べていた。同センターが15日と16日に枯れた松の樹皮や木くずのサンプルを調べ、マツノザイセンチュウを確認。島に「間違いなくいる」と断定した。

 マツノザイセンチュウは体長約1ミリで、マツノマダラカミキリに寄生する。カミキリが、松の樹皮を食べる際にセンチュウが松の内部に侵入し、通水性を阻害して枯らす。これまで同町にはいないとされていた。

 立ち枯れは島の中央付近に位置する兼城、嘉手苅、儀間や西側の西銘の森林で発生している。町上江洲にある国指定天然記念物「五枝の松」に被害はないが、17日に改めて樹木医が診断する。人や農作物への被害報告はない。

 町の担当者は進入経路について「フェリーで運ばれてくる工事用資材などの木材に付着していた可能性がある」と話した。

 センチュウは森林病害虫等防除法で防除対象に定められており、町は今後、県と連携し速やかに枯れ木を伐採し焼却する。