アーティストのシンボーさん ライブの傍ら廃材で家具製作 名護のカフェで販売


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自作のベンチに腰掛けるShinBowさん=名護市大中のカフェ「運天食堂」

 【名護・本部】沖縄ブルース民謡アーティストのShinBow(シンボー)さん(59)は、ライブ活動のかたわら本部町新里の自宅兼工房で、廃棄されそうになった沖縄のさまざまな素材を新たな木工家具に生まれ変わらせる活動を行っている。その作品を13日から名護市大中のカフェ「運天食堂」で展示販売している。独創的なアイデアできれいに仕上がった作品に囲まれ、カフェの一角が温かな雰囲気に包まれている。10月9日まで。

 国内でトップモデルだったShinBowさん。東京にいた40代の頃、ふとしたきっかけである人に三線を手渡され、「それから1年間自宅で三線を手に『てぃんさぐぬ花』を歌っていた」。後日それ聞いた母親が感嘆の声を上げたことに衝撃を受け「死ぬまで唄三線をつくり上げていく」ことを決めた。これまで東京を中心に今帰仁村でもライブ活動を続け、アルバム「しみが原」も発売している。

 友人たちのリクエストに応える形で得意の木工にも取り組んでいる。今回、たまたま「運天食堂」で開かれていた児童たちの絵画展を見て、店の雰囲気の良さに共感し、自身の作品の展示ができないか店側と相談。店側も快諾し、2階で開業している運天産婦人科医院に来院する親子たちのためにつくっていた遊び場スペースを提供してもらうことになった。

 展示している作品は、数十年前の鉄製のベンチを再生したものや、昔の足踏み式のミシン台をテーブルに仕上げたもの、松の木枠に独自にエッジングを入れた鏡、中央におしゃれなタイルをはめ込んだ鍋敷きなどさまざま。ディスコで使っていた大型スピーカーはワインセラーによみがえらせた。展示に向けて多くの友人たちもバックアップした。

 ShinBowさんは「唄三線も木工も『最大の素人』を目指したい。作品を眺めながら皆さんも何か楽しいことに向き合ってほしい」と話した。