遺骨土砂の埋め立て不使用意見書、東京の武蔵野・国立両市議会で可決


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
糸満市米須の土砂採取場所=2021年5月(小型無人機で撮影)

 【東京】東京都の武蔵野市議会(土屋美恵子議長)は22日の9月定例会最終本会議で、沖縄戦戦没者の遺骨を含む土砂を埋め立てに使用しないことを求める意見書を全会一致で可決した。国立市議会(青木健議長)は16日に、遺骨などを含む土砂を辺野古新基地建設の埋め立て等に使用しないよう求める意見書を賛成多数で可決している。

 国立市議会は、土砂を使用しないよう求める対象として「辺野古新基地建設」と明示した。国立市関係でも沖縄戦で亡くなった人がいるとし「『遺骨で辺野古を埋め立てる』問題は、新基地建設の賛否を問わず人道上の問題」と批判した。

 武蔵野市議会は、国が昨年、「戦没者の遺骨が残る南部地域の土砂を埋め立て工事に使用する申請を沖縄県に提出した」と言及し、名指しを避けたものの辺野古新基地建設に伴う埋め立て工事を示唆した。遺骨を含む土砂を埋め立てに使うことは「遺族の悲痛を倍加させるのみならず、戦没者を冒涜(ぼうとく)するもの」だとした。

 都内では、清瀬市議会(斉藤実議長)も「沖縄戦没者の遺骨混入土砂を基地などの埋め立てに使用しないことを求める陳情」が出されている。9日の総務文教常任委員会で全会一致で採択され、28日の本会議で採決にかけられる見通しだ。