沖縄銘菓で医療者応援 使用済みゴルフボール販売の収益で県外医療機関へ寄贈


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医療従事者や沖縄観光を応援しようと、使用済みボールのチャリティー販売に取り組んだプロキャディーの柏木一了氏さん(左)とプロゴルファーの今平周吾さん=2019年(提供)

 コロナ下で経済的に打撃を受けている沖縄観光と医療従事者を応援しようと、男子ゴルフの今平周吾プロの専属キャディーを務める柏木一了さん(53)が、選手たちの使用済みボールを回収し、チャリティー販売する取り組みを始めた。チャリティーの収益の一部から、伝統菓子製造販売の謝花きっぱん店(那覇市)と、リザンシーパークホテル谷茶ベイ(恩納村)内の店舗で沖縄土産を購入し、東京や北海道など県外4カ所の医療機関に寄贈した。

 新型コロナウイルスの影響で国内ツアーの試合が無観客で行われてきたため、普段は観客やボランティアにあげる使用済みのゴルフボールが捨てられるようになったという。柏木さんは「ファンサービスができなくなったため、荷物になるボールを捨てて帰国する外国人選手が目立つようになった」と振り返った。

 使用済みボールの再利用方法を考えた結果、ゴルフ練習場で回収したボールをチャリティー販売し、その収益を新型コロナ最前線に立つ医療従事者に寄付する案が浮かんだ。ただ、「お金を病院へ送ると、どう使われるかは分からない」とも思い至り、目に見える使い道として「大好きな沖縄から土産を買って医療従事者に食べてもらうことで、同時に観光地の沖縄の手助けもできる」という方向に転換した。

 柏木さんはチャリティー販売の収益から40万円を使って、謝花きっぱん店とリザンシーパークホテル谷茶ベイから、それぞれ20万円でトウガンのお菓子や紅いもタルトなどを購入した。

県外の医療従事者に伝統菓子を発送する謝花きっぱん店の謝花ひさの店主=22日、那覇市(提供)
リザンシーパークホテル谷茶ベイが県外医療従事者に配送した沖縄土産(提供)

 謝花きっぱん店店主の謝花ひさのさんは「医療従事者が苦しんでいる様子を見て、何かをしたい気持ちがあった。柏木さんに声を掛けてもらってうれしかった。お菓子作りにも励みとなった」と話した。

 リザンシーパークホテル谷茶ベイ店舗事業部の加藤千聖さんは「医療従事者の皆さんが日々の激務の中で、沖縄土産でほんのひとときでも和んでもらえたらうれしい」と述べた。

(呉俐君)