国際音楽イベント「WOMEX」で世界へ 沖縄の唄者・新垣睦美 日本で6組目


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WOMEX2021のショーケースセレクションに選出された唄者・新垣睦美(提供)

 沖縄県出身の唄者、新垣睦美が「WOMEX2021(ワールドミュージックエキスポ)」の公式セレクションに選ばれた。日本で6組目、沖縄からはソロとして初めて選出された。WOMEXは10月27日から31日までポルトガルで開催され、新垣は30日の「Daycase Stage」に出演を予定する。「登竜門的なイベントでもあり、世界中のミュージシャンとつながるのも楽しみだ」と意気込んだ。

 ソロ活動では、琉球古典音楽や沖縄民謡を基に、日常の生活音や自然の音をエレクトロニクス(電子音)と融合させ、渋みのある歌三線を奏でる独創的なパフォーマンスで魅了している。2020年に初のソロアルバム「ANOTHER WORLD OF OKINAWAN MUSIC」を発売した。

 桜坂劇場がプロデュースする「Music from Okinawa」の活動がきっかけでWOMEXを知り、これまでに何度か応募した。選出は19年にヨーロッパで演奏したことや、発売したソロアルバムで高い評価が得られるなど、活動に手応えを感じ始めた中だった。新垣は自身の音楽について「全く異色だが、近くに寄り添えたという感触があった」と振り返った。

 事務局によると、ショーケースの申し込みだけで今年は1150の応募があり、すべてのイベントに対して116カ国からの応募があった。WOMEX公式サイトの新垣のプロフィールに「彼女の使命は、(沖縄伝統音楽の)香りを失うことなく、沖縄音楽の深い魂を現代的な環境に統合している(中略)。ルーツの守護者であり、大胆な実験家でもある」(実際は英文)と評価の一部が伺える。

 新垣は「古典音楽にフィルターをかけて得た普遍的な感覚と、対極にあるエレクトロニクスをうまく融合させたというのが評価されたと思う。大事に臆することなく挑みたい」と語った。公式ユーチューブチャンネルのQRコードでも楽曲を視聴できる。