「大人は支配者ではない」子どもの権利を尊重する子育てとは? 横江弁護士が講演


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那覇地区P連研修会で、子どもを独立した人格として尊重することを訴える横江崇弁護士=16日、那覇市安里の国際通りバサナイスタジオ

 那覇地区PTA連合会(安里幸治会長)は18日、第24回研修会記念講演の動画配信を始めた。「今こそ、子どもの権利保障を!! 子どもの権利を尊重する子育てとは?」と題し、弁護士で子どもシェルターおきなわ理事長の横江崇さんが講演した。横江さんは「大人は子どもの支配者ではない。日々の子育ての中に子どもの権利の視点を生かしてほしい」と訴えた。

 横江さんは昨年4月に「沖縄県子どもの権利を尊重し虐待から守る社会づくり条例」が施行されたことを紹介。子どもの権利の中で特に子どもの意見を最大限くみ取ること、児童の最善の利益は何かを考えることの大切さを強調した。望ましい社会の形として「子どもたちが参加して成長し、自分たちで決めて、作っていく社会」を提示した。

 体罰は法律で禁止されていること、しつけと虐待の違い、権利の主張と道徳が別物であることにも触れた。苦しんでいる子どもたちと接してきた経験から「子どものSOSを拾うことが大事だ。保護者も大変な時は一人で抱え込み過ぎず、頑張り過ぎずに支援機関にお願いする。それが子どものためになり、人権が保障される子育てになる」と述べた。

 同連合会理事の島袋優校長(開南小)は「家庭、地域、学校職場で責任と自覚を持って人権について周知していこうと思った」と述べた。安里会長は「子どもたちが健やかに成長していくため、学校と家庭と地域が責任を分かち、協力し合って、どんな困難も乗り越えていこう」と呼び掛けた。

 研修会は新型コロナ感染症拡大のため動画配信での開催となった。収録は16日、FECが運営する那覇市安里の国際通りバサナイスタジオで行われた。那覇地区(那覇、浦添、久米島、大東)のPTAを対象に10月3日まで公開する。