知念が美来工科にコールドで快勝 八重山、球陽に打ち勝つ 県高校野球秋季大会


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 高校野球の第71回県秋季大会は25日、沖縄市のコザしんきんスタジアムなど県内3球場で開幕し、1回戦6試合を行った。開幕前には縮小して開始式が行われ、北谷の島海舟主将が「仲間と共にグラウンドに立てる喜び、戦える喜び、大会を開催してくださった方への感謝を胸に、全力でプレーすることを誓います」と力強く宣誓し、九州大会出場を懸けた熱戦の火ぶたが切られた。初日は浦添商が石川に七回終了降雨コールドゲームで11―7で勝った。知念が美来工科に8―1、八重山が球陽に11―4、興南が宮古に7―3、小禄が首里東に21―5、那覇国際が陽明に20―4で勝利し、2回戦に進んだ。25日に予定されていたウェルネス沖縄―普天間は雨天のため26日に、向陽―中部農林は、中部農林の関係者にPCR検査を受検する必要性が生じたため27日に順延された。


好機つくりチーム一丸 知念・大城主将
 

美来工科―知念 2回裏、中前打を放つ知念の大城裕空主将=25日、沖縄市のコザしんきんスタジアム

 新型コロナウイルス感染から復活した主将がつくった好機を、知念が一丸となって得点につなげた。

 追加点がほしい二回の攻撃。先頭の打席には6番大城裕空主将。5球目を「変化球が甘く入って真ん中に来たので思い切り振り抜いた」。打球は中前に抜ける安打となり「めっちゃうれしかった」。代走を送られベンチに戻ると、ナインが歓喜で迎えた。

 無死一塁と攻撃の糸口をつかみ、2者連続の犠打で走者は三塁へ進んだ。ここで続く9番仲宗根光汰が中前に適時打を放ち、貴重な1点をもぎ取った。

 大城は今年2月、新型コロナウイルスに感染し一時チームから離脱していた。1週間のホテル療養後も後遺症に苦しみ、味覚や嗅覚を失い倦怠(けんたい)感に襲われたという。チームに本格的に合流できたのは春の大会後だった。現在は練習に参加できるまで体力は回復しつつあるが、この試合は健康状態に配慮し、1打席だけの出場にとどまった。

 わずかな出場機会で活躍を見せた大城。照屋拓己監督は「主将が攻撃のリズムをつくり出してくれた」とたたえた。再び元気に野球ができる喜びをかみしめている大城は「野球ができることが純粋にうれしい」と、日に焼けた顔をほころばせた。

 (上江洲真梨子)
 


八重山 序盤で主導権握る
 

八重山―球陽 5回、右方向へ三塁打を放つ八重山の須田晟伍=25日、アトムホームスタジアム宜野湾

 八重山は三回、黒島舜主将の意表を突くスクイズや、須田晟伍(せいご)の左中間への適時打で2得点。リードを5―1に広げ序盤で主導権を握った。

 五回には相手投手を完全攻略し6点を挙げた。1死三塁から三塁打を放ち、この回3点目のランナーを生還させた須田は「コンパクトに振れた。守備でエラーをしていたので打撃で返すことができた」と勝利に貢献し、納得の表情を見せた。