浦添の公共施設内、賃料未徴収は4団体 契約書なく経緯不明


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 【浦添】浦添市土地開発公社が市仲間に所有し、市が福祉プラザなどを設置した「あかひらステーションビル」について、市教育委員会を除く入居者から賃料や光熱水費を徴収していないことが27日、分かった。本紙取材に、市は契約書などの文書が確認できず、どのような経緯で賃料などを全額負担することになったかは不明としている。市は経緯を調べ、今後の対応へ協議を始めた。

 あかひらステーションビルは1993年に完成し、現在、市教育委員会のほか、NPO法人2団体、市身体障がい者福祉協会、市ボランティア連絡協議会の計4団体が入居する。市は公社側に毎年、一括して賃料や光熱水費を支払っている。2020年度に市が負担した賃料は947万7千円。電気代は334万5558円、水道代は27万6980円に上る。

 24日の市議会一般質問では市当局が、ビル1階の福祉プラザに入居する「心身障がい者自立支援そなえ会」が93年の入居以来、賃料などが免除されていることを明らかにした。さらに契約書などが確認されていないことを念頭に「地方自治法、公有財産規則などの法令などと照らし合わせて不適切な貸し付けと考えている」とした。

 この答弁について、そなえ会の代表は本紙に「市から一度も賃料の請求や申請書の提出などを求められたことはない。そもそも他の団体も賃料などを支払っているわけでもないにも関わらず議会で私たちだけが取り上げられたのは心外だ」と主張した。今後は求めがあれば市との協議に応じる考えを示した。