「琉球忍者」1年3カ月ぶり公演 県民向けにストーリー重視、本格再開模索


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1年3カ月ぶりの公演となった琉球忍者ショー=18日、北谷町美浜のレキオスシアター

 【北谷】「琉球忍者」を題材とした忍者ショーを運営するアシビエンタープライズ(読谷村、當山浩社長)は18、19日の2日間限定で、「Ryukyu Ninjya ELEMENT~阿麻和利の復活~」を北谷町内で公演した。新型コロナウイルス感染症の影響で、1年3カ月ぶりの舞台となった。客席を従来の130席から30席に減らしたり、飛沫(ひまつ)対策で役者がせりふを発する時の顔の角度を工夫したりするなど、感染対策を試行錯誤しながら、本格的な再開に向けて動き出している。

 令和を生きる「琉球忍者」をテーマにした。忍者の役割が評価されなくなった現代で、地方公務員という位置付けだった琉球忍者がとうとう民営化される内容。生き残るため忍者ショーやグッズ販売で収入を得ようと忍者らが奮闘する中、勝連城10代目城主の阿麻和利の魂が琉球忍者の頭領に乗り移る、というストーリー。

 これまで琉球忍者ショーは、外国人観光客や米軍関係者がターゲットで、せりふは一切なかった。だが新型コロナで外国人観光客は減少し、米軍関係者も外出を控えるようになった。新たに県民向けの舞台を企画し、従来のアクロバットだけでなくせりふを取り入れることで、県民も楽しめるストーリーにした。

 今回の公演は、文化庁のコロナ禍の文化芸術活動を支援する「ART for the future!」の補助対象事業。2日間限定の公演だったが、今後、本格的な再開に向けて感染対策を強化したい考え。アシビエンタープライズの當山社長は「客席は最大でも50席となるため、単価を上げるしかない。最新レーザーなど舞台演出を強化し、来場客に納得してもらえるような舞台にしたい」と意気込んだ。

 脚本・演出を担当したブース☆キッスさんは「実際に公演ができることは刺激になる。舞台の火を消さないためにも、感染対策を徹底した上で臨みたい」と話した。