「すぐには需要回復しない」4カ月の緊急事態で客激減…経済界から支援求める声


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 政府は30日で緊急事態宣言を一斉解除することを決定した。県内では4カ月以上にわたって制限されていた社会経済活動が動き始めるが、経済関係者からは「すぐに需要は回復しない」と、支援を強く求める声が上がった。
 
 県バス協会の小川吾吉会長は「路線バスも貸切バスも、昨年よりも厳しい。干上がっている」と苦境を訴える。10月は修学旅行の多い時期だが、貸切バスは既に9割以上がキャンセルされているとして、「解除はプラスではあるが、県外の団体旅行は予約を伴うため、すぐに回復はしない。県には、遠足や平和学習などの県内旅行促進を支援してほしい」と求めた。

 結婚式場は緊急事態宣言中、飲食店と同様に酒類提供の全面停止や短時間・少人数での開催を働き掛けられていた。感染状況の先行きが見えなかったことから、新規の予約は激減しているという。

 沖縄ローカルウェディング協会によると、2019年まで県内の披露宴による売り上げは年間約140億円に上り、2次会など関連消費の波及効果を含めると倍以上になるという。同協会の廣田剛代表理事は「1年以上披露宴を開催できない状況が続いていることで、やらないことが当たり前になってしまうことが一番怖い」と語り、全国では披露宴に補助を出す自治体もあるとして「披露宴をする人を県が支援という形で後押ししてくれれば、必ず動き出す」と要望した。

 県は大規模イベントについて、宣言解除後も1カ月程度は人数制限などを継続するとしている。県出店業事業協同組合の伊波清一理事長は、イベントが開かれるようになるまで時間を要すると見て「感染が収まらないとお祭りはできないので、また拡大を繰り返さないでほしい」と話した。