「とまりん」経営の泊ふ頭開発 ホテル売却に応じず かりゆし撤退、他社に賃貸へ


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かりゆしアーバンリゾート・ナハが入居するとまりん

 那覇市前島の複合ビル「とまりん」を経営する泊ふ頭開発(那覇市、宮城健三社長)は29日、取締役会を開き、とまりん内でホテル「沖縄かりゆしアーバンリゾート・ナハ」を運営するかりゆし(恩納村、玉城智司社長)のホテル区画買い取りの提案に応じず、売却しないことを決めた。かりゆしは、7月の不動産鑑定評価に基づき買収額12億円を提示していた。

 泊ふ頭開発は、売却と、賃貸を継続した場合の収支を試算し比較。同社は10期連続で黒字を計上しているが、約8億2千万円の繰越欠損を抱えている。賃貸を継続すれば2025年には欠損を解消する計画だが、売却した場合は解消が約6年遅れるという。株主や金融機関から売却の理解を得ることは困難と判断した。

 かりゆしは10月末にホテルを閉館し、22年1月末に撤退する。泊ふ頭開発は、ホテル区画への新たなテナントを10月1日~11月末に募集し、12月の取締役会で正式に決定する。既に県内外の4社が入居希望を示している。賃料は月額約3千万円を想定しているが、個別に交渉に応じる。

 泊ふ頭開発の宮城社長は「長期の事業をシミュレーションした場合、賃貸継続と譲渡では大幅な差があった」と話した。かりゆしの玉城社長は「本来はランドマーク的な場所として育てられるよう互いに協議して前に進まないといけないができなかった。最後までしっかり営業する」と話した。