現在開幕中の東都大学野球秋季リーグで開幕から2連勝し勢い付くのは、亜細亜大の岡留英貴だ。最速150キロの伸びのある直球と4種の変化球を武器に、好投を続ける。投球フォームを上手投げからスリークオーターに変え、球質や球威が大幅に向上。独自に研究を続けるフォームの進化とともに急成長を果たした。
「少し(腕を)下げてみろ」。大学1年の夏、生田勉監督に勧められ、スリークオーターにフォームを改造した。フォームに慣れてきた秋のリーグ戦、中央大との一戦で初登板すると4回を投げ被安打2、2奪三振、無失点の好投だった。「初登板で初勝利の結果を残せて自信が付いた」と、ますます練習にのめり込んだ。
高校時代に最速143キロだった球速は、今では150キロにまで増した。スリークオーターから繰り出す速球は「ボールがホップするというか、下から上がってくる。上手投げにはない。自分の強みでもある」と言う。日々、自身の投球やフォームと向き合い理想を突き詰めている。
大学の一つ上の学年には、巨人からドラフト1位指名を受けた平内龍太や本部町出身で楽天4位指名の内間拓馬らも在籍していた。身近にいた選手がプロにいることも、刺激になっている。「高校のときは全然実力もなくて。ただ、今は(プロを)目指せるところにいる」と、最高の環境を見据え右腕を磨く。
ドラフト会議当日の11日は、中央大との一戦が予定されている。将来の懸かった運命の日は「不安な部分もあるけど、大学最後のシーズンで結果を残してチームが優勝することが一番」。目の前の一戦、一勝を積み上げていくことがプロへの近道だと確信している。
(上江洲真梨子)
おかどめ・ひでたか 1999年11月7日生まれ、糸満市出身。180センチ、87キロ。右投げ右打ち。兼城小―兼城中―沖縄尚学高。高校2年春の県大会優勝が最高。3年夏は「10番」。ソフトバンクのリチャードと同期。